長女を妊娠中に夫となる人が事故死し、18歳で未亡人(未婚のシングルマザー)となったスウ。その後無事生まれた長女”のんのん”とスウの母子二人の生活を描いた、作者・小沢真理の代表作。
両親を事故で亡くし、大恋愛をして一緒になった夫(入籍前)も事故で亡くしたスウ…繊細でやわらかい絵柄とは対照的に設定が重いのはこの作者の持ち味なのか、つらい境遇でも幸せは無限にあるというメッセージなのか。優しく甘い母と娘の2人の世界は、いつでも小さな幸せに溢れている。
現実は厳しいけれど、せめて漫画の中くらいは優しい生活を送りたい。そんなあなたに。
仕事に恋に、自由に人生を生きる母。対照的に堅実な生き方を求める娘。仲は良いけど考え方が全く違う母娘の恋や人生への葛藤を描いた「イマジン」。
キャリアウーマンの母美津子に育てられた有羽は平凡なOL職。いい加減な性格の母の世話に苦闘する毎日だが、ある日恋に落ちた彼女は。
母ひとり子ひとり…誰よりも強い縁で結ばれたふたり。たとえ価値観が異なっていてもお互いの影響を受けずにはいられない、そして自分の中にまた新しい自分が生まれていく。
母として娘として、なにより女としての人生の価値観を揺さぶられる作品だ。
東村アキコといえば、今現在の売れっ子中の売れっ子漫画家。精力的にヒット作を出し続け、お酒もグルメも大好き、そして一児の母という、いったいそのパワーと時間はどこから湧いてくるの?となんともエネルギッシュなイメージのお方。その彼女が29歳の時に出産、長男のごっちゃんとの生活を綴った育児エッセイ。
大体にして育児漫画というのは、育児の他にも夫への愚痴やら感謝やらがちょちょいと綴られてたりしてそれも含めてのあるあるネタが主流だったりする。ところが作者はごっちゃんを産んで早々にして、別居→離婚と育児エッセイなのにどうするのだ!?さらに遠方の両親には頼れない状況で、仕事をこなしながら育児に奮闘する女、東村アキコ。すごいすごすぎる。
東村テンションの怒涛の押し寄せるギャグとごっちゃんの濃ゆいキャラに悶絶必至、子供を産んだことのない女性でも非常に楽しめる育児漫画である。
80年代に連載が始まり今でも不定期に続く「Papa told me」は、非常にメッセージ性が高くコアなファンを多数生み出した傑作シリーズで、男性ファンも多い。
母親を亡くし、作家業の「お父さん」と二人暮らしの小学生の知世。
彼女は毎日が幸せでいっぱい。お父さんはかっこよくて、やさしくて、いつも知世のそばにいてくれる世界で一番のおとうさんだから。とにかく知世のファザコンぷりは半端ない。それもしょうがない、読めばわかるが知世のお父さんはイクメンも真っ青のスーパーお父さんだ。
父娘のおだやかな生活は、不思議な発見がいっぱい。知世の大人びた感受性に奥深さを感じるとともに、子供らしい愛情表現にひたすら癒される。こんな風に何にも縛られないで親子2人で暮らされば…そう思わずにはいられないおとぎ話のような作品である。
祖父の葬式で出会った6歳の幼女りん。なんと彼女は祖父の隠し子だった!天涯孤独のりんを引き取ろうとしない親戚達に腹を立て、りんと暮らすことを決意した、男・ダイキチ、独身30歳彼女なし一人暮らし。
子育てどころか結婚もしたこともない30歳独身男が、幼稚園児を育てることに。
しかし初めての子育てはそう簡単にはいかない。仕事と子育ての両立はもちろんのこと、幼稚園児の気持ちを読む難しさや、周囲の大人の無理解。しかしたとえ困難は多くても、常にりんの幸せを第一に考える大人ダイキチの背中は文句なくカッコイイ。
次男の実が産まれてすぐに母を亡くした、榎木家。仕事が忙しい父親に変わって長男の拓也(小学5年生)は弟の実の世話に奮闘する。男3人榎木家のあたたかい毎日を描いたホームコメディ通称「赤僕」は、90年代の花とゆめを代表する大ヒット作。
榎木家の日常と個性的な同級生や近所の友人たちとの交流が面白く、一方で真面目なエピソードでは、子供ならではのダークな感情描写も秀逸。泣けるエピソードも多く、何度読み返してもハンカチは必須です。