「アタック~アタック~ナンバ~アワ~ン」のアニメ主題歌でも有名な、不朽の名作「アタックNo.1」。1968年に週刊マーガレットで連載が始まるやバレーブームを巻き起こした、スポ根漫画の金字塔です。
バレーが大好きな鮎原こずえは、キャプテンとして仲間たちとともに世界を目指していく。しかしその道は苦難の連続だった。
バレーのために重い病気すらも克服するこずえをはじめ青春のすべてをバレーボールに捧げる少女たち。単純に競技に情熱を燃やすだけがスポ根ではありません。試練を乗り越えようとする少女たちの愛と成長こそが最も注目すべきことなのです。
続いても往年の名作から。1973年から週刊マーガレットで連載が始まり、時代を超えて読み継がれるテニス漫画の傑作です。
お蝶夫人に憧れてテニス部に入った岡ひろみが、やがてテニスのトッププレイヤーを目指す成長物語。
「エースをねらえ!」はただのスポーツ漫画ではない、台詞ひとつひとつの深さは人生の教訓そのもの。理不尽な部内いじめや宗方コーチの鬼のシゴキにあいながらも不屈の精神で立ち上がる岡ひろみに少女たちは喚起し、誇り高きお蝶夫人の美しさと強い精神性に理想の女性像を見たのです。
心が怠けそうになる時、人生に諦めそうになった時に読み返してみてください。弱ったハートを奮い立たせてくれるでしょう。
2度とは来ない今日の一球を打つために、自己を高めること。その大切さをこの漫画は教えてくれます。
スポ根漫画とは正反対の脱力系癒しスポーツ漫画といえばこれ。
日本プロ野球界のセントラル・リーグに7番目の球団が誕生した。宝塚好きのオーナーが設立した、女性監督に女性選手のプロ野球チーム「スイート・メイプルス」だ。
女が多数集まればどこかしら嫌な空気が淀ってくるというものだが、川原泉の漫画にはそんなものはありはしない。メイプルスの選手たちは広岡監督のもと力を合わせ、ひたすら健気にリーグ優勝を目指す。しょせん女はパワーも体格も男にはかなわない?いやいやそんな現実もなんのその。素直に読み進めれば、ラストは最高に清々しいフィクションを味わうことができるはずです。
将来有望だった陸上ランナーの中学生・伊出延久。高校テニス部の尚田ひなこに一目惚れし、あっさりと陸上をやめ高校でテニス部に入部。同じく入部した同級生にテニスのJr.界で有名だった滝田留宇衣もいて…。
勢いづく作者・羅川真里茂の熱が伝わってくるような熱血テニス漫画。全32巻の大作です。
少年漫画並に試合シーンも迫力があり丁寧に描かれていますが、それ以上に人間関係の心理描写の巧みさはさすが少女漫画家。
テニスは素人だけど生まれつきの運動神経の良さからめざましい伸びを見せる延久と、プロを目指しているけど精神面が弱く行き詰まっている留宇衣。怪我でテニスをやめざるを得なかったひなこ。それぞれが複雑な思いを抱え成長していく姿は読み応えたっぷりです。
カナダからの帰国子女・真は、初恋の人隼人の何気ない一言で、経験のないバレー部に入部。ところが真は天才的なバレーの才能を開花し、やがてオリンピックを目指す。小学館漫画賞を受賞した作品です。
努力型の主人公もいいけど、本作のように天才型の主人公のスポーツものは爽快感にあふれている。真の勝利の笑顔のまぶしさがたまらない。明るくて前向きなヒロイン、初恋の隼人との恋、まさに少女漫画の基本のような作品。
連載当時は、古賀稔彦選手や田村亮子(現・谷亮子)選手らがオリンピックで金メダルをとり、日本柔道界が盛り上がってた時代。
柔道一家に産まれた野々香は柔道が得意な元気少女。小さい時に自分を暴漢から救ってくれた男の子を探している。高校で志信と悠也の2人の男子に出会い、熱血漢の柔道少年・悠也とクールで影のある志信、2人の間で野々香の揺れる心を描く。
北川漫画らしくヒロインに対するヒーロー二人の熱愛ぶりと寸止めがすごい。私のこと理性を抑えきれないくらい好きになって。でも私のこと大事だったら止められるよね?という女子の勝手な理想が聞こえてきそうである。そんな微妙な三角関係の行方も見逃せません。
運動音痴の中学1年生・旭。親友に誘われて見学にいったバドミントンの試合で、急遽ピンチヒッターとして試合に出ることに。バドミントンの魅力にとりつかれた旭は…。題材がちょっと珍しいバドミントンの漫画。
バドミントンと言えばお手軽レジャーの代表格ですが、近年はスポーツとしての人気も高いですよね。低学年向きながら本格的な描写は、バドミントンの奥深さを知ることができます。
バドミントンが醸し出す爽やかさと絵柄の可愛さも好感度が高いので、子供にもおすすめな作品です。
こちらも少女漫画としては題材が珍しい、実業団のソフトボール部を描いた作品「ソフトボールは好きかしら?」。
元気少女幸子はスランプ中の4番打者。アガリ症な翔子は剛速球のピッチャーだがバッティングが全然ダメ。ぶつかり合う2人が友情を育み、勝利に向けて結束していくストーリー。女同士の友情が爽やかにまとまっています。
スポーツを通して友情を深めていくというのは、意外と少女漫画ではなかなか少ないので貴重だと思います。
ありそうであまりない新体操漫画。その代表作がこの「光の伝説」、テレビアニメ化もされている名作です。
天性の新体操の才能を持った中学二年生の光がオリンピックを目指す姿を描いた、昭和テイストに溢れた少女の成長物語です。なにしろ目指すのは、ソウルオリンピック。
また、この漫画では、新体操の演技をするのに専門の伴奏者がつくようになっています。光は幼馴染で音楽の才能をもつ夏川に伴奏曲の作曲をお願いするのですが、光に想いを寄せている夏川の演奏と光の演技が見事に融合してひとつの作品になっていくのはまさに少女漫画らしいエピソードかと。
老舗料亭の跡取り娘として家の期待を一心に背負っているのばら。しかし彼女のやりたいことはバレーボール。ところが入学した高校のバレー部は廃部寸前で…。
廃部寸前のバレー部を仲間を集めて立て直し強くしていくという少年漫画風のオーソドックスなストーリーに恋愛要素を絡めて少女漫画に仕上げています。個性豊かな女の子達の汗と涙と恋の行方が気になる。仲間の大切さを再認識させてくれる作品。
ちなみに本作の女の子達、一部を覗いてみんな170オーバーばかりの背の高い女の子達。主人公も身長175cmと恵まれた体格。そんな設定でも違和感があまりないのは、さすが平成の時代というべきか。